石坂産業(https://ishizaka-group.co.jp)ー三富(さんとめ)今昔村 ①

ダイオキシンが騒がれたころ、江戸時代に開発された三富新田のなかに、産廃銀座と言われていた廃棄物処理施設が集まっていた地域があった。その産廃業者のほとんどが他に移ったり廃業したりした中で、生き残っている、産業廃棄物処理場があるので見に行こうと誘われた。暫くして、その会社の社長がNHKの番組「逆転人生」に出ると言うのでビデオに撮って見た。

そして先日、東武東上線ふじみ野駅で集合、バスのお迎えで見学開始。案内の女性が、訥々と見学の予定をざっと話したりしながら、なんとなくみんなの気分を和ませてくれた。バスの外を見ていたら見覚えのあるお寺。ここの森を保全しているボランティアの作業を見学に来た事があるけど、まだ続いているのかなと思い出す。次に樹木葬と大きく看板が出ている霊園を過ぎたら、目的地周辺。道の左にトラックの駐車場、右に本社、その先にくぬぎの森交流プラザ(https://santome-community.com/map/)と言う、工場を取り巻く森へ来る人たちや私たち見学者の受付も兼ねた、大きな集会所があり、その前の駐車場で下車。

本社ビルの5階の眺めのいい会場で、先ずは石坂産業の業態の説明?講義?を聞く。廃棄物を取り扱う産業が、サービス業に分類されると、先ず聞いてビックリ。考えてみれば、元々は、ゴミを処理して捨てる、と言う仕事で、物は作ってなかったから、そうなるかと納得。更に日本の法律では、家庭から出るゴミは、一般廃棄物で、残りは産業廃棄物と、分けられる。そして産業廃棄物は、更に20種類に分けられていて、それぞれの処分について許可が必要なのだとか。石坂産業では、建て替えなどで壊した建物、建設廃棄物を、主に処理、98%が再生され再利用されていると言うことだった。残りの2%についてもリサイクルできないかと研究中とか。

さて、実際の作業見学。本社ビルをでると大きな石が使われたしゃれた築山。聞いてみると、石は持ち込まれた廃棄物。ここから再利用されていた!日本の庭を構成する庭石は、どこかで使われてた石は使わない、だからお金を払って引き取ってもらわないとダメと知ってはいたけれど、石坂産業の敷地内で見た庭石!再利用されてるのだけど、なんの問題も無く、良い庭の景色をつくってる。やっぱり日本のシステムおかしいな、山や川や海など、もう石を採ってはいけないと禁止されている所が沢山あるのに、再利用されず、いちどつかわれたからって、廃棄物になって、ほとんど砕かれてしまうって!。更にビックリだったのが、リサイクルしてできた製品、ここでは足の下に敷いてあったブロック。法律では、この廃棄物処理場に存在している間は、製品では無くゴミ。従って、保管に制限があり、普通の製造業のように製品を保管して売ることができない。売買契約を結んで、取引しても製品を相手に届けるまで、製品では無く、廃棄物!って、リサイクルを叫ぶ国にしては、法律、変。

工場の方へ進むと、先ずあったのが工具置き場と作業場。この処理場で使う様々な機械は、取り付けから、現場に必要な改良、変更は、全てここで働く人たちが行い、その為、メーカーの保証が無くなるので、保守管理全てする為の工具であり作業場という説明。頭だけで世の中動くように思っている人たちの多い中、凄い人だの集まりなのね!

さて、作業場。先ずはトラックで運び込まれてくる廃棄物を仕分けして、ベルトコンベアーに乗せるところから。石(鉄筋コンクリートは、できるだけコンクリートを砕いて金属を取り除いていた),木材、プラスチック類、と大きく分けていたが、もともと色々な、材料があちこちに使われているのが、一般家屋。ベルトコンベアーでどんどん運ばれながら、使えるところは出来るだけ機械を使っているけれど、でも、最後は人手が頼りとの説明。見学通路から見えるベルトコンベアーの上の廃棄物を見るとその言葉に納得。大変な仕事だなぁと、見るだけで、実感。

最後に工場全体に配置されている排気施設を見ながら、構内の空気清浄のシステムを説明してもらって、石坂産業が管理している森林に移動。

工場の外は基本的には、三富の里山を復活させている林。その名は、三富今昔村。太陽光発電で走るSLや、落ち葉の堆肥を使った畑や、鶏小屋など、また、そこで収穫された野菜を使ったお食事が出来る集会所などがその森の中に点在している。SLと聞いて楽しみにしていたのだが、あいにく雨模様となり、ほとんど歩けずに移動。三富新田の元々の持ち主が昭和30年代に建てたと言う立派な農家を資料館として保存していて、中を見学。繭から糸をとっていた道具や、乾いた藍の葉が盆笊いっぱい。手動の製麺機や餅つき機。また、あのあたりに住んでいたらしい動物の剥製。そして、私たちも使っていたようなラジオや火鉢。昭和も、歴史の一部に成っちゃったのね〜と、ため息。

乾燥した山積みの藍の葉の説明に「この藍を使って、糸を染めたらしいのですが、煮詰めて染めると臭いという話しですよ。」と言われてビックリ!そんなバカな!まず、この葉は、スクモに発酵させて、更に染め液を作って、染めるのよ!思わず叫んでしまいした。でも、乾燥させてあるだけで置いてあるのは、何故なのか?葉をどこかまとめて発酵を任せる作業所のような所があったのか、それまでは自家製のスクモで染めていたのが、新しい家も作り、高度成長期に入って衣類を作るのをやめたので、そのまま放置されたのか。ちょっと、勝手な想像。それはともかく、いい加減な説明なら、説明無しにして欲しい!のでした。

最後にくぬぎの木環境塾という建物の中で、見て回っての感想や意見など、アンケート調査。そして質疑応答の時間を過ごし、再びバスで駅まで送っていただき、解散。

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林を見て歩いたり、村内のミニレールを走るSLに乗れなかったのが、とても残念。絶対もう一度行こうときめたのでした。